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会長挨拶Greetings

会長写真

第18回日本分子脳神経外科学会
会 長 木内 博之
山梨大学大学院 脳神経外科 教授

この度、第18回日本分子脳神経外科学会を開催させていただけますこと、教室員一同、大変光栄なことと存じます。

本会は、1999年、前身である「脳と免疫」研究会から発展的に日本分子脳神経外科研究会として設立され、翌年、現在の日本分子脳神経外科学会に移行し、今回が18回目の開催となります。この間、本学会は、脳神経外科疾患の病態や治療法について分子生物学的観点から解明をめざして、その情報発信と意見交換の場として脳神経外科診療の向上に大きく貢献して参りました。しかしながら今日の分子生物学を基盤とした科学技術の急速な進歩により、病態の解明はタンパクレベルから遺伝子へと深化し、さらに、転写調節、エピジェネティクス機構、マイクロRNA調節など多角的かつ複合的な分子メカニズムの解析へと広がっております。また、診療においても、免疫チェックポイント阻害剤に代表される画期的な薬剤の出現により治療戦略が大きく変貌しています。これらの革新的な進歩は、今後、病態機序の概念を変え、さらに脳神経外科医療の診断や治療にもパラダイムシフトをもたらすものと推測されます。このような現状に鑑み、病態の本質を正確に理解することが極めて重要と考えております。そこで本会のテーマを「中枢神経系疾患のロゴスに迫る」とさせていただきました。ロゴスとは、古代ギリシアにおいて物の本質としての「論理」や「真理」を表し、転じて「語られるもの」という意味を有する言葉でございます。中枢神経系の疾患に対して外科的なアプローチだけではなく、分子生物学的な視点から、疾患の病態や治療について、「ロゴス」を大いに議論していただく会にしたいと思います。

本会では、2名の海外からのエキスパートに招待講演をお願いしました。カリフォルニア大学デービス校神経内科教授のFrank Sharp先生より脳室内出血後の神経細胞死におけるSrc familyの役割について、また、ピッツバーグ大学神経内科教授のJun Chen先生より脳卒中と外傷後の神経損傷の分子メカニズムについて、ご講演頂きます。さらに、特別講演として、福井大学高エネルギー医学研究センター センター長、岡沢秀彦先生から分子イメージングについて、山梨大学薬理学講座教授の小泉修一先生にはアストロサイトATP受容体と虚血耐性について、そして同大学生化学講座教授の宮澤恵二先生にはグリオーマの悪性化とTGF-βの役割について、それぞれ最新研究の成果をご講演頂くことになっております。加えて、脳虚血の機序、血管障害の分子イメージング、悪性グリオーマの病態、てんかんの病態、幹細胞、免疫療法などの幅広い分野から一般演題を募集します。脳神経外科疾患の最前線の知見と研究成果を徹底的に討論し、橋渡し研究の更なる発展につなげる学会にしたいと考えております。

8月の山梨は、夏真っ盛りではありますが、多くの皆様の御参会を心よりお待ち申し上げております。

 
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